マイン川長距離道のルートは、マイン川源流からライン河との合流地点までの約５００キロメートルのコースである。私は友人と二人でフランクフルトから自転車を借りて目指したのは、フランクフルトから東に向かってバイロイトからビュルツブルグまでの自転車の旅。フランクフルトで自転車をレンタルしフランクフルト中央駅から電車に乗り、バンベルグ経由でバイロイトに向かう。車窓からの田園風景を楽しみながら素晴らしい自然が楽しめる。ドイツでは、自転車持ち込みチケットを購入すれば、鉄道で目標とする地点に自由に行けるので鉄道と自転車の組み合わせにより旅行の選択肢が増える。また、滞在期間と自分の体力に応じて旅程を組み込むこともできるので自由度は結構高い。バイロイトの街並みは綺麗であり、中世の建物が残っているので自転車に乗りながらの街の探索は普通の観光バスでは得られない体験である。７月にはバイロイト音楽祭なども開かれるので多くの観光客が集まってくるという。マイン川長距離自転車道のあるクロイセンはバイロイトから約２０キロのところにある。
翌日、バイロイトからクルムバッハに向かう。 天気は良好。（この夏の時期のドイツは雨があまり降らず最高の天気が続く）総走行距離は約６０キロである。体力に合わせゆっくり景色を見ながらの自転車の旅である。欧州の夏は日が長く夜の１０時頃まで明るいので時間にせかされず自転車に乗ることができるので嬉しい。また、途中降機し、古い町並み散策も自転車ツーリズムの楽しみの一つである。クルムバッハには、大きなビール工場もあり、試飲もできた。クルムバッハ泊。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ドイツには、130以上の長距離自転車道路が東西南北に張り巡らせられており、送距離数は7万キロ以上にもなると言われている。
日本人にとっては ロマンチック街道、古城街道など広域な地域をバスや自動車で異動する旅行の方が、馴染みが深いであろうが、近年、欧州ではこの自転車ツーリズムによる観光旅行が非常に人気を呼んでいる。
本日のテーマは、ドイツで人気の自転車観光にスポットを当ててご紹介したい。実はドイツでの自転車ツーリズムの歴史はそれほど古くはない。長期自転車道路が初めてドイツで完成したのは1970年代後半であり、ほとんどは90年代に整備されている。長距離自転車道人気ベスト５で代表的なルートは、（１）エルベ自転車道（860キロ）、（２）ウエザー自転車道（500キロ）、（３）ドナウ自転車道（190キロ）、（４）マイン川自動車道（470キロ）（５）バルト海岸自転車道（836キロ）である。
人々は、春から夏にかけて毎年自転車、徒歩で、豊かな自然、美しい街や村、古城などを堪能しながら気の赴くまま流離の旅をたのしむ。一日の走行距離は、ADFC（全ドイツ自転車協会）によれば5割以上が５０～８０キロを走るという。 つまり、一つの長距離自転車道を１週間～２週間かけて走り抜ける計算だ。ガイド付きツアーもあるので初めての方でも安心して体験することができる。
翌日は、クルムバッハからミヒエラウに向かう、距離は４０キロ弱。マイン川のほとりをひたすら走り抜ける。なかなか風情のある自転車道である。ゆっくり走りながら４時間でミヒエラウ街に到着した。宿泊は、Ｂｉｋｅ＆Ｂｅｄ（いわゆるＢ＆Ｂ）が街道沿いの街中に点在するところに泊まってみた。街道沿いの宿泊施設は合計約３００の施設がガイドブックに紹介されており、かなり選択の幅がある。宿泊施設の６８％がホテル、２４％がペンション、４％が農泊民泊と４％が貸別荘だそうだ。１泊当たりの値段を参考までに記すと値段は１５～９０ユーロと幅がある（平均３５ユーロ）。予算に応じていろいろと選べるこの仕組みは日本も学んでほしいところだ。
サイクリングで数日間乗っていると自転車旅行にも慣れペース配分もわかってくる。私とその友人は、ミヒエラウを後にしてバンベルグに向かった。７８キロの距離を二日間かけてゆっくり走ったので疲れもなかった。大自然を堪能しながら、美味しい地ビール、ワインなど地場の食事を食べながらの旅は最高である。至福の時間がゆっくりと流れるドイツは良い滞在先である。宿泊地には各国から自転車ツーリズムで訪れる外国人も多く、そ方々との交流も楽しいひと時である。異文化交流の好きな方にとっては、この自転車旅行はたまらないであろう。
バンベルグから目的地のビュルツブルグは当初自転車で走破する予定であったが、諸事情により車と鉄道を利用し目的地に向かうこととなった。そして、無事旅行を終えた。今回の旅行は本来のロングステイではないが、季節の良い時期を選んで最高のドイツ旅行を読者の方も体現していただきたいと思う。
周遊旅行やグループ旅行では味わえない 自転車ロングステイの旅、是非チャレンジしてみて欲しいと思う。
（ロングステイアドバイザー：匿名）
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