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公認サロン便り

500年の歴史を持つ酪農の村ゆえの朝食
観光の前は酪農が主産業

スイスと言っても小さい国ながら地域によって様々な文化、風習があります。さらに、ドイツ語、フランス語、イタリア語、レート・ロマニッシュ語という4つの言語が公用語として認められている珍しい国です。私が住んでいますスイスの中心地「グリンデルワルト」についてお話しします。ここは、ヴェッターホルン(標高3701m)、シュレックホルン(標高4078m)、そしてヨーロッパ三大北壁の一つであるアイガー(標高3970m)など4000m級の山々に囲まれた標高1030m、人口4000人の小さな村です。夏は観光、ハイキング、登山客などが訪れ、冬にはスキーなどのウィンタースポーツ、冬のハイキング、観光客など年間100万人が訪れる観光地です。しかし、観光は始まってからまだ200年ほどですが、それが始まる前は酪農業が主産業の小さな村でした。この酪農業は500年の歴史があります。



農家の朝食の定番

掘り返せばすぐに石ころが出てくる土地が裕福でないここでは、酪農業や林業しか産業がなかったのです。酪農家の朝は早く午前4時には、夏の間山に放牧している乳牛たちをあつめ、牛小屋にて搾乳し、銅鍋を使って手作りでチーズを作ります。できあがったチーズは、2年間毎日、塩水でチーズの表面を拭いて発酵させ固いチーズを作るのです。グリンデルワルトでは「グリンデルワルト・ベルグ・ケーゼ」と呼ばれチーズを削りながら食べるものです。農家の保存食として今でも作り、食べられているものです。朝の仕事が終わって、そこで初めて朝食を取ります。この朝食は、昔ながらにふかしたお芋を皮をむいてから細かく削り、フライパンの中に入れて、刻んだベーコンやハム、玉ねぎなどを一緒に入れます。アロマートという調味料を加え、蓋をして焼きます。焦げ目をつけ、反対側も焼いたらできあがりです。お皿に移し、別に目玉焼きを焼いて、それを乗せれば完成です。これは「ロシティ」と呼ばれる食べ物で、今ではどのレストランでも普通に食べることができます。農家は、この「ロシティ」を朝食としてコーヒーやミルク、紅茶と共に食べるのです。グリンデルワルトに長期滞在されるお客様には、グリンデルワルトにあるCOOP(コープ)やMIGROS(ミグロス)で、この「ロシティ」のインスタント製品が売っていますから、これだと単にフライパンに移し、温かくするだけで完成です(電子レンジでの加熱でもOKです)。また、滞在される貸し別荘で、アイガーなどの山を目の前にしてベランダやバルコニーで「ロシティ」を食べる朝食は、もうまさに「スイスの休日」ですね。                
スイス・グリンデルワルトサロン 安東一郎


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